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C-4 ext3諸元拡大!パッチがLinux本流へ組み込まれるまでの苦労話

担当:日本電気株式会社
講師:佐藤 尚(NECソフトウェア東北株式会社 ソフト開発事業部 基盤ソフト開発グループ)
講師プロフィール:1994年 NECソフトウェア東北株式会社に入社。
スーパーコンピュータのHSMソフトウェア開発、Windows,Linuxサーバのシステム管理ソフトウェア開発を経て、1年半前からLinuxのファイルシステムに関する研究開発に従事。
対象者:Linuxカーネルの開発に関心のある方で、UNIX系ファイルシステムの基本的な構造についての知識がある方。
キーワード:ext3 , 最大ファイルシステムサイズ , 最大ファイルサイズ , Linuxのコミュニティ

現在、Linuxの標準で利用されているファイルシステムとしてext3があります。ext3の最大ファイルシステムサイズは約8TB、最大ファイルサイズは約2TBであり、現在のディスクストレージ容量の増大傾向から考えると、近い将来に諸元不足となる可能性があります。
ext3はRed Hat Enterprise Linux 4等において標準のファイルシステムとして利用されており、利用実績が多く一定の安定性が確保されています。そのため、利用者は今後も継続利用を希望すると考えられ、ext3の諸元拡大に対するニーズが高まると考えられます。
そこで、我々は現状の安定性を維持しながら諸元を拡大する方式を考案し、ext3開発用のメーリングリストに提案しました。この我々の提案が著名なLinux技術者の関心を集め、メーリングリスト上で活発に議論を行った結果、我々の提案する方式の基盤となる
パッチが正式にLinuxに組み込まれました。
セミナーでは現在も継続している議論の最新状況や、議論を進める上での苦労話に関して私の体験を交えて発表します。

www.ospn.jp 2002-2006