OSC2011
2011-03-04 (金)   13時00分

【基調講演】行政機関でのOSS利用はなぜ低調なのか

このエントリーをはてなブックマークに追加

講師:山口 英(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授)

システム構築と運用において Open Source Software(以下OSS)の利用は、企業、研究機関や教育組織では一般的になっている。しかし、わが国の行政機関におけるOSSの利用は、まだまだ 低調といえるだろう。これは、行政におけるオープンソース型開発ソフトウェアに対する正しい理解が不十分であるだけではなく、行政自らによるソフ トウェア開発経験が希薄であることに起因していると考える。
特に、ソフトウェアのライフサイクル管理基盤の構築と運用を、行政機関が自ら主体的に 行う経験がほぼ皆無であるために、システム構築・運営を請け負う役務提供企業に大して丸投げの状態を生み出していることが致命的である。このよう な状況を改善することは、OSS開発側の努力だけでなく、行政機関におけるシステム構築と運用を抜本的に変革していくことが必要である。
さらにこの変革は、最近の逼迫する財政事情とも整合性が高く、十分に実現可能である。本講では、行政機関でのOSS利用の低調さの原因と、その解決方法に ついて議論する。

※本講演は2コマ連続のセッションです。後半(2コマ目)は講師の方と参加者の皆さんのディスカッション形式を予定しています。

2コマ目:【基調講演】質疑応答/ディスカッション
https://www.ospn.jp/osc2011-spring/modules/eguide/event.php?eid=95

【山口 英 氏プロフィール】

■ 職歴
1990年10月 大阪大学情報処理教育センター・助手
1992年10月 奈良先端科学技術大学院大学情報科学センター・助教授
1993年 4月  同大学情報科学研究科・助教授
2000年 4月  同大学情報科学研究科・教授 
2002年 4月  同大学附属図書館長(併任)〜2004年3月
2004年 4月  内閣官房情報セキュリティセンター 情報セキュリティ補佐官兼務〜2010年3月
2006年 4月  内閣官房情報通信技術(IT)担当室電子政府推進管理室 電子政府推進管理補佐官兼務

■ 活動
- WIDE Project ボードメンバ
- Asian Internet Interconnection Initiatives (AI3)運営委員
- JPCERT コーディネーションセンター (JPCERT/CC)理事
- サイバー関西プロジェクト幹事長
- 日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)理事

■ 主な受賞
1999年 10月  平成11年情報化促進貢献個人表彰(通商産業大臣表彰)
2002年 6月  平成14年度志田林三郎賞(情報通信月間推進協議会会長表彰)
2005年 3月  情報セキュリティ文化賞(情報セキュリティ大学院大学学長表彰)

■著書
「情報セキュリティ」
「ブロードバンド時代のインターネットセキュリティ」
など


投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。

www.ospn.jp 2011