OSC2017
2019-08-24 (土)   14時15分

日本語入力の危機を乗り越える インプットメソッド・フレームワークとかな漢字変換に訪れている課題とその対策

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講師:武山 文信・吉野 与志仁・橋本 雅彦
司会:杉本 典充
担当:Cross Distribution Developers Camp
対象者:Unix/Linux/BSDをデスクトップ環境で利用している方
前提知識:Unix/Linux/BSDでデスクトップ環境で使っている方・使おうと思っている方

・Cross Distribution Developers Campの説明
Cross Distribution Developers
Campは、国内のディストリビューションデベロッパー・ユーザーの横断的な集まりで、各ディストリビューションが
抱える共通の課題を共有し、共に打開していく事を目指しています。直近は、日本語入力で課題が発生したため、
主にその問題に取り組んでいます。その他にも、ユーザー会のマネジメントなどに関する情報の共有、各ディストリ
ビューションの現状の共有なども行っています。

・インプットメソッド・フレームワークの抱える問題
WaylandのGNOMEで、インプットメソッドにibus以外使えない、日本語入力の変換窓が表示できない、などの
課題が発生しました。これはWaylandの設計仕様の影響で、インプットメソッドフレームワークとの連携がうまく
できていないことに起因します。また、Waylandだけでなく、FlatpakやGTK4などの新しいプラットフォームに
対応するにあたって課題がある事が浮き彫りになってきました。今回はDebian
BusterでGNOME Waylandの課題を解決した吉野氏、openSUSEで同課題に対応している武山氏が、問題の全貌と、
今回の解決方法、それからこの先の根本的な解決の選択肢や展望について解説します。

・かな漢字変換の抱える問題
現在、日本のディストリビューションの多くはMozcをかな漢字変換に使用していますが、アップストリームの更新状況に
課題があり、令和対応などを各ディストリビューションで行わざるを得ない状態になっています。今回は現在開発中の
和製かな漢字変換である「おーぷん万葉」プロジェクトの橋本氏が、かな漢字変換の設計や展望について解説します。

【カテゴリ】OS/Linux/デスクトップ/日本語環境