OSC2011 Kansai@Kobe、今年で2回目開催!学生参加多数!!

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OSC神戸の地元実行委員、学生チームの松本です。

先日4月16日に神戸市産業振興センターで
オープンソースカンファレンスKansai@Kobeが開催されました。

神戸でOSCが開かれるのは今年で2回目です。私も実行委員として参加させて
いただきました。

当日は天候にも恵まれ、600名もの大勢の方にご参加いただきました。

展示ブースは、コミュニティ41団体、協賛後援11団体に参加いただき、朝から
賑わっていました。皆さん真剣に話しを聞いたり、質問したりと熱いトークを
繰り広げていました。会場での熱気がすごかったです。

また、セミナーは、7トラック7コマで、満員になるセッションもあり大盛況で
した。

▼展示の様子

▼セミナーの様子

それでは地元企画のセミナーをいくつかご紹介します。

自治体のオープンソース導入については様々な議論が進んでいます。今回はパネ
ルディスカッションもあり、現場で活躍されているパネラーの方々からの最新情
報を聞くことができました。

先日、日本を襲った大きな地震により、私自身もオープンソースソフトウェアが
復興にどう役にたてるのかを考える機会が多くなりました。
中でも注目を浴びているSahana(サハナ)というツールは被災地の状況確認や、
復興情報の提供等、災害時を想定してつくられたもので、今回のセミナーで解説
していただきました。

「自治体におけるオープンソースデスクトップの導入とこれから」と
「災害時の救援情報共有に使える!ウェブツール“SAHANA”(サハナ)」について、
実行委員の野方さんにレポートしてもらいます。

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1.自治体におけるオープンソースデスクトップの導入とこれから

交野市の天野さん、箕面市の那谷さん、OOoの榎さんを迎えて2時間のセッション
でした。朝一番からのセッションでしたが、多くの方に来ていただきました。前
半セッションでは、榎さんのOOoコミュニティ、天野さんのXubuntuとOpenOffice.org
の導入、那谷さんのLTSPの導入について、など取り組みについての発表がありま
した。

発表では、それぞれの導入の経緯についてお話をされましたが、導入に対して
ユーザーに不安を与えないように苦労をされていたのだなと思いました。

後半のディスカッションでは、導入時のプリンタなど周辺機器の問題や、自治体
自体がWord/Excelファイルで文書を配布していることも問題であるとの話題が出
ました。

周辺機器の問題については、プリンタメーカーがドライバを出しているので、箕
面市のLTSP導入時は問題なく使えることが報告されました。

自治体がWord/Excelファイルで文書を配布していることについては、自治体内で
さまざまな議論の結果、妥協としての結果などで、市民の意見があれば、これか
ら変わる余地はあります。ぜひ意見を寄せて欲しいと出ました。と、同時にマイ
クロソフトのソフトでもソフトウェア間の互換は完全ではなく、場合によっては
新規導入と同じ作業が必要になるので、ソフトウェアに依存しないオープンな
データ形式でデータを持つことが必要であることが確認されました。
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2.災害時の救援情報共有に使える!ウェブツール“SAHANA”(サハナ)

ひょうごんテックの村尾さんが発表されました。
発表については、Sahana自体がどういうものか知られていないので解説と、今、
被災地で必要なツールであると発表がありました。

東日本大震災は広域かつ地震、津波、原発の複合災害ですが、「支援の空白地
域」を作らないため、都道府県、市区町村などの行政単位の垣根を超えた被災者
支援のためにSahanaは必要であること。

「泥を見ないで人を見ろ」という言葉は、現地の災害ボランティアの人に「今、
瓦礫や泥として存在しているモノの先には、人々の生活や生きた証が存在してい
たのだ」という事をいう戒めの言葉ですが、Sahanaもツールはあくまでツールで
あって、データの先に人々の生活が存在し、生きていた証が存在するものという
言葉は、深く心に突き刺さりました。

現在、Sahanaはまだ立ち上がっていませんが、「今、必要なツールなのか」の質
問については、Sahanaはushahidiのように初動に必要なツールではなく、震災復
興のために必要なツールなので、ぜひ協力してくださいとのことでした。
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どちらのセッションもそれぞれ単独のセッションでしたが、双方に言えることは
「オープンソースと社会のかかわり」がテーマだったのかなと思いました。

ギークとしてはいろいろ考えてしまうけれど、オープンソースが社会に必要とさ
れているなら、考えずに飛び込んだほうが良い結果が出るような気がしました。

その時には、ウソや押し売りはいけないけれど、お互いに腹を割って話をすれ
ば、なんとかなるかもと希望は見えたので、これからはギークが社会に飛び込ん
で、社会をハックするとよりよい世界が見えてくるかもしれません。
(OSC神戸実行委員:野方)

3.学生企画「来れ学生!ライトニングトークセッション



神戸は中学、高校、大学、専門学校など、学校が非常に多い都市で、OSC神戸には
学生もたくさん来場しています。

この中には大人がびっくりするような技術をもった学生も埋もれています。
そんな学生に出てきて発表してもらおうとしたのが、「来れ学生!ライトニング
トークセッション
」です。

OSCではおなじみのライトニングトークですが、このセッションでは登壇者を
学生に絞りました。わずか5分のライトニングトークで、それぞれの発表者が
■自己紹介
■考えていること
■ブースの宣伝
■つくったアプリの紹介
と様々な話題について発表しました。

これは実行委員の学生チームが準備を行い、私も学生チームの一人として企画運
営に参加しました。

定期的に集まった実行委員会とは別に、学生企画のみの打ち合わせを開催し、打
ち合わせに来られない人はSkypeで参加をしたり、Ustreamで配信したときもあり
ました。

最初はどう進めていいかわかりませんでしたが、他の実行委員の方や、周りの
方々のサポートもあり、なんとか、企画としておもしろいものになったかなと
思っています。

発表者はATNDというWebサービスを用いて集めました。
企画を発表した当初は発表者が集まるかどうか不安でしたが、発表の募集開始を
したとたん発表枠が埋まってしまい、時間が短く感じるほどでした。

▼発表者の中から最年少だった中学生のhiromu1996君から発表の感想
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僕は、いままでいろいろな勉強会等で何度かLTをしたことがあります。
しかし、学生LTというのは初めてでした。

そもそも、OSCは僕がはじめて参加したITコミュニティのイベントでした。去年
のOSC京都に初参加して以来、関西だけでなく、関東の勉強会等にも参加させて
いただいたりしています。

僕にとってのOSCは、IT勉強会に顔を出す大きなきっかけとなりました。

そんな時に、OSC神戸でLTができるという話を聞き、大変興味をもちました。企
画ミーティングには参加できませんでしたが、すぐに参加登録しました。

実は、当日まで学校の文化祭の準備等もあり、LTの準備が出来ていませんでし
た。なんとか徹夜でネタを仕込んでプレゼンを作ったのですが、全く練習してい
ませんでした。結果的にはなんとかなりましたし、所々で笑っていただいて大変
嬉しかったです。

僕はこの学生企画に大きな意義を感じています。Twitterを見る限り、IT技能の
高い中高生はたくさんいると思っています。

しかし、OSCやKOFといったイベントに来ていらっしゃる方はほんの一部です。
そもそも、OSCの存在を知らなかったり、OSCに参加することにハードルを感じ
ていたりするのではないでしょうか。僕自身も、村岡さんの紹介がなければ参加
することはなかったのではないかと思います。こんな状況は非常にもったいない
です。

そこで、学生団体が参加しているイベントということを周知することも重要です
し、一人で参加するのはハードルが高いという人のためのガイド役となれるよう
な存在になるのもいいと思います。

OSC実行委員の方々をはじめ、素晴らしいイベントを作っていただいた皆様に感
謝しています。本当にありがとうございました。
(hiromu1996)
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hiromu1996君は記号だけで記述する難解なプログラミング言語を扱っていて、
私自身も驚かされました。

今後もOSCで、このような学生が活躍できるような企画も考えていきたと思いま
す。

<ワケトンとワケニャンの登場>
会場には神戸市のゴミ分別を徹底するために生まれたキャラクター、ミニブタの
「ワケトン」とネコの「ワケニャン」が来ていました。
受付の手伝いをしたり、会場をうろうろしたりと、ゴミ分別をPRしながらみんな
を癒して?!いました。

<募金箱設置>
また、東日本大震災の義援金の募金箱を設置しました。集まった義援金208,225円
は日本赤十字社に送金いたしました。皆さまの温かいご協力、本当にありがとうご
ざいました。

<ライトニングトーク&じゃんけん大会>
ライトニングトークの最後にじゃんけん大会があり、景品はなんと・・・「神戸牛」でした。

<終了後>
終了後の懇親会も盛り上がり、私は、実行委員会MLで話題にあがっていた“ギーグ
ハウス”に泊めて頂き、朝までOSCの熱は冷めませんでした。

また来年も神戸でやりましょう!

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OSC神戸実行委員会
松本 悦宜
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