OSPN Press 第81号 (2017/07/19発行)

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■次回の開催は「OSC京都(8/4-5)」と「ODC東京(8/19-20)」です!
■[特別インタビュー] OSC京都の出展者紹介&見どころのご案内!
■[開催報告]OSC沖縄、OSC北海道、無事に終了
■ITニュース・総合
■ITニュース・オープンソースリリース情報
■オープンソースカンファレンス開催レポート
-OSC2017 Okinawa
■オープンソースコミュニティ紹介 〜from OSS コミュニティ辞典〜
-CoderDojo 札幌 & 札幌東
-RIM友の会
■「オープンソース」を使ってみよう!
第46回:Mautic
第47回:Pandoc
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[特別インタビュー]OSC京都(8/4-5) 出展者の紹介やセミナー・展示の見どころ紹介!

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8月4日、5日に京都で「OSC2017 Kyoto」を開催します。今回は、OSC京都に出展される企業とコミュニティ団体の担当者の方にお話を伺いました。展示やセミナーの見どころを紹介いただいた他、来場者の方へのメッセージもありますので、ぜひご覧ください。

当日は、それぞれのブースやセミナーに参加していただき、ブログのインタビュー見ました!と声をかけてみてください。


日程:2017年8月4日(金) 10:00-17:00(展示は11:00~17:00)
        5日(土) 10:00-17:50(展示は10:00~16:00)
会場:京都リサーチパーク(KRP)東地区 [OSC受付:アトリウム]
   (JR嵯峨野線(山陰線)「丹波口駅」徒歩5分) 
費用:無料
内容:オープンソースに関する最新情報の提供
   ・展示 – オープンソースコミュニティ、企業・団体による展示
   ・セミナー – オープンソースの最新情報を提供

→ OSC2017 Kyotoイベントトップページ
→ 展示ブース一覧
→ セミナータイムテーブル(1日目)
→ セミナータイムテーブル(2日目)


■出展者に聞いてみました!

Q:OSC参加歴は?
Q:参加のきっかけ、理由は?
Q:OSCに参加しての印象は?
Q:今回の見どころは?
ご来場予定の方にひと言!

■お話をおうかがいした出展企業・コミュニティ団体

Oracle Corporation (MySQL Community Team)
NEC
フューチャーアーキテクト株式会社
株式会社ウェブチップス
Linux-HA Japan Project
株式会社 デージーネット
株式会社サードウェア


 

 

Oracle Corporation (MySQL Community Team)
http://www-jp.mysql.com/

Q:OSC参加歴は?
A:「オープンソースカンファレンス2008 Tokyo/Fall」から毎年、複数回参加しています。OSCに参加しはじめた当時は、サン・マイクロシステムズ株式会社のソフトウェア部門として出展していました。

Q:OSCに参加したきっかけは?
A:オープンソースコミュニティへの貢献の一環、ならびに製品の開発動向をご紹介させていただく機会として、OSCのイベントに参加することにしました。

Q:OSCに参加しての印象は?
A:PostgreSQLなどのオープンソースデータベースのユーザーグループ間での交流が活発なので、OSCに参加すると色々な情報交換ができています。

Q:今回の見どころは?
A:ブース展示とセミナー開催を予定しています。
セミナー(1日目16:15〜)では、現在開発中のMySQL 8.0の新機能、MySQLの新しい高可用性構成であるMySQL InnoDB Clusterなど、MySQLの最新情報をご紹介します。
ブースでは、MySQLユーザ会、MySQL入門書籍、MySQL商用版などのご紹介や、MySQLに関するよろず相談を行いますので、MySQLに関する疑問などがあれば、お気軽にお声がけください!

ご来場予定の方にひと言!
データベース、MySQLに興味がある方は、是非ブースにお立ち寄りください!
また、他の地域でも開催しているMySQLユーザ会のイベントを、京都でも開催できればと考えています。ユーザ会のイベントに興味がある方も、是非ブースでお声がけください!!

http://www-jp.mysql.com/

 

NEC
http://jpn.nec.com/linux/

Q:OSC参加歴は?
A:2005年から参加して、一時期出ていない期間がありましたが、断続的に参加しています。

Q:OSCに参加したきっかけは?
A:当初はLinux全体の普及・啓発のために参加していました。現在は「OSSライセンスの啓発」のために参加しています。

Q:OSCに参加しての印象は?
A:各地のOSCを回っていますが、学生スタッフなど、ボランティアの方がよく手伝ってくれているイベントだなと思います。

Q:今回の見どころは?
A:OSSは開発した人の著作物です。
過剰に反応する必要はないですが、「GPLは宗教」とか「GPLは契約」とか根拠に基づかない世迷い事を信用して、理解した気になっていませんか?急がば回れ。著作権から学んでいきましょう。

ご来場予定の方にひと言!
朝一からのセミナー(1日目 10:00~)になりますが、早起きしてご来場いただければ幸いです。

http://jpn.nec.com/linux/

 

フューチャーアーキテクト株式会社
http://www.future.co.jp/

Q:OSC参加歴は?
A:2015年 東京春開催から参加しています。

Q:参加のきっかけは?
A:普段から業務でもOSSのお世話になっている我々も、かねてよりOSSコミュニティに何かしらの貢献をしたいと考えてました。

最近では弊社でもOSSとして公開しているものがあり、知的好奇心旺盛なエンジニアに弊社のOSSへの取り組みをアピールし、実際に利用していただき、フィードバックを得たいと考えたのがきっかけです。

Q:OSCに参加しての印象は?
A:週末にもかかわらず、情報収集、情報交換を行いたいという、技術が大好きな人が集まっている印象があります。
ビジネス系のカンファレンスとは異なり、技術メインのフランクな雰囲気がよいですね。

Q:今回の見どころは?
A:2016年に注目を浴びたVulsのデモはもちろんのこと、エンタープライズ向けSQL開発環境のuroboroSQL、レガシーブラウザ対策から生まれたSPAライブラリのUrushiも実際に触って頂ける環境をご用意してお待ちしております。

Vulnerability scanner for Linux/FreeBSD, agentless, written in Go
Urushi
uroboroSQL

ご来場予定の方にひと言!
セキュリティ対策でお悩みの方、自社でのSQL開発で悶々としている方、エンタープライズ領域でSPAは使えるのかと思っている方など、是非ブースにお立ち寄り頂き、気軽にお話できればと思います。(セミナーは、2日目 13:00〜

http://www.future.co.jp/

 

株式会社ウェブチップス
http://ss-proj.org/

Q:OSC参加歴は?
A:2014年より各地のOSCに参加しています。

Q:参加のきっかけは?
A:「シラサギ」を多くの方に知っていただき、さらに活用していただくために、OSCに参加して紹介しよう思ったのがきっかけです。

Q:OSCに参加しての印象は?
A:開発者やユーザー、企業、学生などOSSに関係する幅広い方が参加されており、非常に活気あるイベントです。

Q:今回の見どころは?
A:「シラサギ」は、Ruby、Ruby on Rails、MongoDBで動作する中・大規模サイト向けCMSです。特徴の1つとしてマルチテナントに対応しているため1システムで複数のサイトを運用できます。

セミナー(1日目 13:00〜)ではこのマルチテナントの活用方法に加え、シラサギの持っている多様なCMS機能、複数の県に導入実績を持つオープンデータ機能、同パッケージに組み込まれている、グループウェア、Webメールもご紹介します。

ご来場予定の方にひと言!
CMSやグループウェア、Webメールにご興味のある方は是非、ウェブチップスのブース、セミナーへお立ち寄りください。

http://ss-proj.org/

 

Linux-HA Japan Project
http://linux-ha.osdn.jp/

Q:OSC参加歴は?
A:2010年 東京春開催から参加し、現在は年4回ペースで出展しています。

Q:参加のきっかけは?
A:Pacemaker等HAクラスタソフトの理解を深めていただくため。

Q:OSCに参加しての印象は?
A:各地のOSC会場では、特定のテーマに対して切磋琢磨し技術を積み上げていく取組みと、新たなテーマに挑戦していく取組みの両面に触れることができます。
若い世代が積極的にOSCに参加していることもあり、色々な観点での話ができるので、出展している側もとても刺激を得られます。

Q:今回の見どころは?
A:商用サービスにおいて欠かすことのできないHAクラスタ構成を、低コストで実現できるPacemakerについてブースとセミナーで紹介します。
ブースではPacemakerにより故障時でもサービスが継続し、また保守者にSNMPトラップで故障情報を通知するデモを行います。
セミナー(2日目 13:00〜)ではPacemakerを使用したPostgreSQLのシェアードナッシングHA構成の構築方法を紹介します。

ご来場予定の方にひと言!
HAクラスタは商用サービスを守る命綱!興味のある方はぜひブースやセミナーにお立ち寄りいただき、Pacemakerの威力をご覧ください!

 

株式会社デージーネット
https://www.designet.co.jp/

Q:OSC参加歴は?
A:2014年7月の「OSC2014 Nagoya」から参加しています。
本社の所在地は名古屋ですが、OSC名古屋の他に、東京・広島の開催にも出展しています。
京都は初めての出展です。

Q:参加のきっかけは?
A:デージーネットのOSSへの取り組みについて、たくさんの方に知って頂きたいと思い、参加しました。

Q:OSCに参加しての印象は?
A:OSCに出展されている企業やコミュニティの皆さんが、とても楽しそうにされていると思いました。
また、来場者の方々も楽しそうに会場を回っている印象が強いです。

Q:今回の見どころは?
A:今回は、BINDに代わるDNSサーバとして注目されている「PowerDNS」をご紹介します。PowerDNSは高速でセキュリティに強い権威DNSサーバです。管理ウェブのPoweradminと合わせて使用すれば、DNSの管理も簡単にできるようになります。
デージーネットのブースでは、「PowerDNS + Poweradmin」のデモを準備してお待ちしております。(セミナーは、1日目 14:00〜

ご来場予定の方にひと言!
OSC京都は初めての出展となります。
関西の方々にも、デージーネットのOSSへの取り組みについて知って頂きたいと思っています。ぜひ、ブースにお立ち寄りください。

https://www.designet.co.jp/

 

株式会社サードウェア
https://www.3ware.co.jp/

Q:OSC参加歴は?
A:OSC第1回目となる2004年の初回開催から東京を中心に参加させて頂いております。

Q:参加のきっかけは?
A:当社やDRBD等OSS製品をを広く知ってもらうために参加しました。

Q:OSCに参加しての印象は?
A:いつも新鮮な気持ちで新しい出会いを楽しみにしております。

Q:今回の見どころは?
A:セミナー(1日目 13:00〜)では、DRBD Ver.9での性能比較実験の結果を報告します。特に今回は、SSDよりも高速なNVMeを使用しての比較実験を行ったことや、比較対象になりやすいCephとの比較も行っており、大変貴重な実測レポートが完成したと思っております。

この貴重な実験レポートをブースにお越しの方に差し上げております。今回の条件下で行った実測レポートはなかなか手に入れる機会は少ないので、これだけでも十分価値のあるものであると自負しております。

ご来場予定の方にひと言!
是非とも「サードウェア」のブースに足をお運びください。こちら(OSPN Pressのメルマガ・ブログ)を見てご来場された方、アンケートにお答えいただいた方には、粗品をプレゼントしております。お気軽にお声がけください!

https://www.3ware.co.jp/

 
 
いかがでしたでしょうか。
こちらで紹介した出展者の他にも、おなじみのOSSコミュニティや、OSSを活用している企業、団体もたくさん出展しています。会場では、さまざまなテーマでセミナー、展示が行われますので、興味を持てる分野を探してみるのも面白いと思います。

OSCは初めて来場する方にも、初心者の方にもやさしいイベントです。出展者側もみなさんとの交流を楽しみにしていますので、ブースで話を聞いたり、デモを見せてもらったり、ノベルティをもらったり、セミナーで気になったことなどをどんどん質問してみてくださいね。

8/4-5開催の「OSC2017 Kyoto」、会場は京都リサーチパークです。
夏の京都で、熱く盛り上がりましょう!ご来場をお待ちしています。

 
■懇親会(2日目)のお知らせ
OSC京都のプログラム終了後は、同じ京都リサーチパーク内で、大懇親会があります。アルコール以外に、ソフトドリンクもご用意していますので、未成年、飲酒されない方も、ぜひご参加ください。
お申し込みはお早めに!(8/1まで。ただし定員に達した時点で募集締切。)
→ 懇親会の詳細/申し込み

→ OSC2017 Kyotoイベントトップページ
→ 展示ブース一覧
→ セミナータイムテーブル(1日目)
→ セミナータイムテーブル(2日目)

→ 公式Twitterアカウント(@OSC_official)

OSC2017 Okinawa 交通の便の良い那覇市内で開催!

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6月17日(土)にOSC2017 Okinawaを開催!

今年は、交通の便の良い那覇市内での開催となりました。
沖縄は、梅雨明け前であいにくの天気でしたが、100名もの方にご来場いただきました。

それでは、イベントの様子をフォトレポートでお伝えします!

日時:2017年6月17日(土)
会場:沖縄県市町村自治会館
展示:25ブース(協賛/後援11、コミュニティ14)
セミナー:3トラック18セッション
来場者数:約100名
ハッシュタグ:#osc17ok
展示一覧
セミナータイムテーブル

開催当日の朝は、配布資料の袋詰め作業から準備スタート。
出展者やコミュニティの方にお手伝いいただきました。
ありがとうございます。

=展示=

ゆったりとした展示会場。
出展者同士の交流があったり、来場者の方が真剣にPC画面を覗き込んでいたりと
それぞれ楽しまれていた様子でした。
今回、千歳科学技術大学と琉球大学の2大学が出展。
琉球大学の学生さんが来場者からの質問に真剣に答えている姿が印象的でした。

▼展示の様子

▼展示ブース





=セミナー=

セミナーは3トラック同時に進行。
朝10:00から始まったセミナーですが、お昼も含め、盛りだくさんの内容でした。
最後のライトニングトークは琉球大学の学生さんの司会で進行し、無事に閉会しました。

▼セミナーの様子

=懇親会=

会場近くの居酒屋で行われた懇親会は35名の方にご参加いただきました。
オリオンビールでの乾杯から始まり、途中三線の演奏もあったりと、とても賑やかな会になりました。
食べ飲み放題だったので、皆さんお腹いっぱいになったのではないでしょうか。

▼懇親会の様子

=最後に・・・=

今年も無事にOSC沖縄を終了する事が出来ました。
全国から沖縄に集まっていただいたOSC関係者の皆さま、
出展者・来場者の皆さま、ありがとうございました。

来年のOSC沖縄もよろしくお願いします。

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OSC事務局
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「オープンソース」を使ってみよう
(第47回 Pandoc)

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目次

はじめに

日本Pandocユーザ会の藤原(@sky_y)と申します。

この記事では、ドキュメント変換ツールPandocについて紹介します。

Pandocを使うことで、様々なマークアップ言語で書かれたドキュメント(Markdown, reST, LaTeX, HTMLなど)を、
別のマークアップ言語やPDF/LibreOffice Writer/Word形式を含む多くのドキュメントに変換できます。

また、PandocはHaskell製のOSSです(GitHub: jgm/pandoc)。他の言語では複雑になりがちな構文解析などがシンプルに設計・実装されており、Haskellコードリーディングの題材としても最適です。

Pandocとは

Pandocは、あるフォーマットで書かれた文書(ドキュメント)を、別のフォーマットに変換するツールです。(図1)


図1:Pandocの基本的な処理フロー

Pandocの最大の特徴は、対応書式(フォーマット)が非常に多いことです。例を挙げてみましょう。

  • 入力
    • Markdown (Pandoc, CommonMark, PHP Markdown Extra, GitHub-Flavored Markdown, MultiMarkdown)
    • Textile, reStructuredText, HTML, LaTeX, MediaWiki markup, Emacs Org mode
    • OPML, DocBook, EPUB, ODT(LibreOffice Writer), Word docx
  • 出力
    • 入力フォーマットのほとんど(ODT/Word含む)
    • Markdown
    • man page, AsciiDoc, InDesign ICML
    • プレゼンテーション: LaTeX Beamer, HTML5(reveal.jsなど)
    • PDF (wkhtmltopdfまたはLaTeXエンジンが必要)

例えば、下記の図2はPandoc公式サイトのトップに掲載されているもので、左側の丸が入力書式を、右側の丸が出力書式を表します。
このように、あらゆる書式から別の書式への文書変換を、Pandocは実現してくれます。


図2:Pandoc公式サイト・トップの図

Pandocが役に立つ場面

Pandocは多機能ながら、そのインタフェースはシンプルに設計されています。それゆえ、多様な使い方ができるツールです。

その1:
1つのドキュメント(HTMLページに相当するもの)を変換する

例えば、下記のような場面ではPandocが役に立つでしょう。

  • 大量にあるMarkdown文書を別の書式に一括変換したい
  • 大量にあるHTMLが編集しづらいので、Markdownなどに変換してコンパクトにしたい
  • Emacs org-mode、reST、LaTeXなどで書き溜めたテキストをMarkdownに一括変換したい
  • Wikipediaに加筆したいけど、記法を忘れるのでMarkdownで書きたい
  • Markdownなどでスライドショーを作りたい
  • Writer/Wordが重く、diffやGitHub管理が面倒なのでテキストファイルで下書きしたい
  • Writer/Word文書をHTMLやMarkdownに変換したい

ただし、Pandocは原則として単一ドキュメント(1ファイルのHTMLに相当)しか処理できません。例えば複数ページからなるWebサイト一式をPandoc単体で生成することはできません。そのような用途のために、次の方法が用いられます。

その2:
スクリプトやソフトウェアに組み込んだり、
外部プログラムによるフィルタを中間処理に入れる

Pandocそのものはコマンドラインツールです。つまり、シェルスクリプトの中に組み込むことができます。

また、Pandocはシェルの標準入力と標準出力に対応しています。入力または出力ファイル名を省略すると、Pandocは暗黙に標準入力・出力を使用します。これを利用し、シェル上で他のプログラムからデータをパイプで受けたり、逆にPandocから他のプログラムにデータを引き渡すことも可能です(図3)。


図3

この性質を利用したのがPandocのフィルタ(filter)という機能です。パイプによるデータ引き渡しの際は、多くのプログラミング言語で利用しやすいJSON形式を指定することができます。このJSONファイルをPythonやJavaScriptなどのスクリプト言語(バイナリでも可)に引き渡すことで、文書変換処理を比較的簡単に拡張することができます(図4)。

具体的には「外部ファイルをインポートする」フィルタなどが実現できます(参考:pandocでMarkdownを拡張しコードをインポート出来るfilterを書く | Web Scratch)。


図4

一方、Pandocを主要プログラミング言語にてライブラリとして呼ぶことも可能です。
これにより、Sphinxなどの他のサイトジェネレータやCMS、AtomやVimなどのエディタ・外部ツールなどからPandocを呼ぶことができ、高度なドキュメント生成・変換が可能になります。

例:SphinxでPandoc's Markdown(後述)を使える拡張 pashango2/sphinxcontrib-pandoc-markdown

以上のように、Pandocはドキュメントに関するあらゆる場面において、強力な「アーミーナイフ」として使用できるでしょう。

インストール:Pandoc本体

以下、ターミナル(またはコマンドプロンプト)が使えることを前提とします。

Windows, macOSであれば、インストーラによりダウンロード・インストールできます。

ダウンロードページ

  • pandoc-1.19.2.1-windows.msi (Windows)
  • pandoc-1.19.2.1-osx.pkg (macOS)

を使用してください(ファイル名中の番号が異なる場合があります)。

一方、パッケージマネージャを利用したインストールも可能です:

  • Windows(Chocolatey): cinst -y pandoc
  • macOS(Homebrew): brew install pandoc
  • Debian/Ubuntu(apt): sudo apt-get install pandoc

ただしLinuxのパッケージマネージャでインストールすると、バージョンが古い場合があります。新しいバージョンが必要な場合は、リポジトリを別の場所に指定するか、Stack(Haskellのビルドツール)などを用いてソースコードからビルドする必要があります。その場合は、Pandoc – Installing pandocの「Quick stack method」を参考にするとよいでしょう。

インストール:PDF出力のためのパッケージ

Pandoc単体はPDFを出力できません。「wkhtmltopdf」または「LaTeX」に頼る必要があります。今回は使用が簡単なwkhtmltopdfをインストールしましょう。

wkhtmltopdfのインストールも、下記の通りにインストールできます:

  • インストーラ: ダウンロードページからダウンロード・インストール
  • Windows (Chocolatey): cinst -y wkhtmltopdf
  • macOS (Homebrew): brew install wkhtmltopdf
  • Debian/Ubuntu(apt): sudo apt-get install wkhtmltopdf

LaTeXを用いる場合は、今回は割愛します。

  • 注意1:pLaTeXは直接Pandocから使用できないので、少し工夫が必要です。
  • 注意2:Pandoc標準のLaTeX処理系はpdfLaTeXですが、これは日本語文書の処理に適さないので、同じくPandocが対応するXeLaTeXやLuaLaTeXをインストールし利用する(–latex-engineとして指定する)ことをおすすめします。

チュートリアル1:標準入力・出力で遊ぼう

まず先に、以上のインストールが完了したことを確認しましょう。

$ pandoc --version
$ wkhtmltopdf --version

バージョン番号が確認できればOKです。

次に、標準入力からパイプでPandocに繋いでみましょう。Markdown記法の見出し(「#」がh1に相当)をHTML5形式として出力してみます。入力書式は「-f」オプションで、出力書式は「-t」オプションで指定します。

$ echo "# Hello"
# Hello
$ echo "# Hello" | pandoc -f markdown -t html5
<h1 id="hello">Hello</h1>

標準入力のMarkdownが、HTMLのh1タグとして標準出力に出力されました。

この出力は標準出力なので、そのままリダイレクトによってファイルに保存できます。

$ echo "# Hello" | pandoc -f markdown -t html5 > hello.html
$ cat hello.html
<h1 id="hello">Hello</h1>

同様に、「-o」オプションでファイルに保存することができます。

$ echo "# Hello" | pandoc -f markdown -t html5 -o hello2.html
$ cat hello2.html
<h1 id="hello">Hello</h1>

「-f」「-t」に指定できる書式の名前は Pandoc – Pandoc User’s Guideの「General Options」を参照してください。

チュートリアル2:まとまったMarkdown文書をあらゆる形式に変換しよう

ここではサンプルとして、青空文庫にある『あたらしい憲法のはなし』のMarkdown版(nogajunさん編)を利用しましょう。(パブリックドメインなので安心して利用してください)

Git(SourceTreeなどでも可)をインストールしている人は、下記のようにcloneしましょう。

$ git clone https://github.com/nogajun/story_of_the_new_constitution.git

その中の「atarashii_kenpo.md」が、今回使うMarkdownファイルです。

または、Markdownソースを直接ダウンロードしてもかまいません: atarashii_kenpo.md

(ただしソースのみだと画像が表示されないので、git cloneをおすすめします)

まずは、このMarkdownファイルをHTMLに変換してみます:

$ pandoc atarashii_kenpo.md -t html5 -o output.html
$ less output.html

一応HTMLらしきものが出力されているはずです。しかし、ヘッダがありません!

Pandocのデフォルトでは、HTMLのタグ内部に相当するものしか出力してくれないので、注意が必要です。完全な文書(ヘッダ・フッタ付きの文書)を出力するには、「-s」を付ける必要があります。

$ pandoc -s atarashii_kenpo.md -t html5 -o output2.html
$ less output2.html

これで完全なHTMLが得られました。

同様に、Markdownを色々な書式に変換してみましょう。(「-t」オプションを省略すると、「-o」オプションの拡張子から自動的に推測してくれます)

# LaTeX
# 注意: -s を付けるとpdfLaTeX前提のヘッダとなるため、あえて省略しています
$ pandoc atarashii_kenpo.md -o output.tex

# EPUB(EPUB3を推奨。WindowsのEdgeだと綺麗に読めます)
$ pandoc atarashii_kenpo.md -t epub3 -o output.epub

# PDF(wkhtmltopdfを利用する場合:オプションに注意)
$ pandoc atarashii_kenpo.md -t html5 -o output.pdf

# LibreOffice Writer / MS Word
$ pandoc atarashii_kenpo.md -o output.odt
$ pandoc atarashii_kenpo.md -o output.docx

チュートリアル3:Markdown以外の文書からMarkdownに変換しよう

最後に、逆方向の変換を試して終わりましょう。ここではHTMLからMarkdownに変換します。

Pandocでは、入力ファイルの代わりにURLを指定すると、それを自動的にダウンロードして入力文書として解釈します。その機能を利用して、Pandoc公式サイトのPandoc User's GuideをMarkdownに変換してみましょう。

$ pandoc https://pandoc.org/MANUAL.html -t markdown -o manual.md
$ less manual.md

紹介が遅れましたが、Pandocがデフォルトで使っているMarkdownは、Pandoc独自で定められた文法(Pandoc's Markdown)です。その詳細は同じくUser's Guideの「Pandoc's Markdown」セクションで説明されています。

他のMarkdown方言として、

  • GitHub Flavored Markdown (-t markdown_github)
  • PHP Markdown Extra (-t markdown_phpextra)
  • MultiMarkdown (-t markdown_mmd)
  • CommonMark (-t commonmark)

も利用できます。(もちろん、各方言で相互変換も可能です)

チュートリアルは以上です。

最後に

これまで紹介した機能はほんの一部です。Pandocの大きな可能性を感じていただければ幸いです。

もしPandocそのものや活用方法、あるいはドキュメンテーションという分野に興味のある方は、ぜひ日本Pandocユーザ会のSlackにご参加ください。あらゆるジャンルで活躍されている方が、Pandocという枠を越えてドキュメンテーション全体についてゆるくディスカッションをしています。

登録は Slack登録フォーム から可能です。初心者でもお気軽にご参加ください。よろしくお願いいたします。

参考リンク

「オープンソース」を使ってみよう
(第46回 Mautic)

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目次

はじめに

企業活動においての営業活動には、見込客の管理(獲得・育成・選別)が必要です。

一般的にこれらの情報は Excel や、専用のシステムなどに記録され、見込客の確度によって、メール・電話・ダイレクトメールなど、様々な手段を駆使して見込客とのコミュニケーションを行います。 大きな組織ではマーケターの方が、小さい組織では営業の方や WEB 担当者などが、こうした日々の管理業務に多くの労力が割かれています。

これらの業務には、大きく分けて、見込客の獲得・育成・分類となりますが、具体的な業務になると、探索、記録、集計、分析など多岐に渡ります。

膨大な単純作業を人手で行うと、効率低下、品質低下、担当者の疲弊といった問題が発生します。 このような問題を放置すると組織マネジメントが機能不全に陥り、大きなトラブルを引き起こす原因になることがあります。

マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーション(以下 MA )とは、マーケターが日々の業務で行っているマーケティング活動(メール / SNS / WEB通知など)のプロセスをソフトウェアで自動化する事により、効率よく潜在顧客に対して、営業活動・見込客の管理を行うデジタルマーケティングツールです。

MAを導入する事により、見込客の特色にてきせつな、チャネル( メール / SNS / WEB通知など )でアプローチできます。

引用元:Marketing Automation – IMCS360 – Online-Offline Marketing Automation and Strategies

MAで解決できる課題

MA といっても全てプロセスを自動化してくれる銀の弾丸ではありません。 あくまで、MA が自動化できる部分は マーケターが日々の業務で行っている PDCA サイクル【Plan(計画) / Do(実行) / Check(評価) / Action(改善)】 の Do (実行) の部分になります。

これにより、日々のマーケティング業務の Do (実行) の部分を自動化する事で以下のような課題が解決することができます。

  • 操作ミスが軽減できる
  • 時間が生まれ、クロージングや他のマーケティング施策に専念できる
  • 顧客毎に最適化された販促活動ができる
  • 見込客の件数が増えても頻繁にコミュニケーションができる

MAでできる事

  • 見込客の役職、サイト内行動に応じて点数を付与
  • 見込客の点数や特定の行動によって、配信回数や、メールの内容など、タイミングを細かく設定
  • 見込客が特定行動や一定の点数に達したら、自動でメール配信
  • 見込客ごとに、WEBページや、メールコンテンツ内容を表示分け
  • MAで取得した情報を他ツールと連携させ、最適なWEB広告を出稿

MAでできない事

  • 見込客とのコミュニケーション設計を自動で生成
  • 見込客に付与するスコアの定義付け
  • メールやWEBページを自動で作成
  • 施策の結果に関するレポートや分析を自動化

※ 有償サービスであれば、上記の部分が出来るサービスもあります

Mautic とは?

Mautic はオープンソース唯一のマーケティングオートメーションです。 開発には Symfony フレームワーク(PHP) を採用しており、現在でも頻繁に開発が行っています。

MA のツール自体は世の中にはあります。 しかし、それらのツールの全てが高額で一部のユーザ企業しか導入できないハードルがありました。 オープンソースの Mautic が登場したことにより、導入のハードルは大いに低くなりました。

Mautic の機能

ウェブサイトのトラッキング

ウェブサイトに Mautic で生成されたコードを埋め込むことで、訪問者の行動履歴を個人レベルで時系列にトラッキング表示することができます。

Eメールマーケティング

標準テンプレートから、オーディエンス(想定対象者)に対し、動的コンテンツ、セグメンテーション、モバイル対応に対応したEメール送信で見込客へのアプローチをする事ができます。 また、独自のカスタマイズしたテンプレートもインポートすることができます。

自動化されたキャンペーン

予め設定した営業サイクルにしたがって、見込客を育成するワークフロー機能です。 Eメールを自動化するだけでなく、WEB / モバイル / ソーシャル / SMS など、他のチャネルをコミュニケーション戦略に含めることによって、レベルの高い自動化を実現します。

WEBフォーム

既存ウェブサイトやカスタマイズされたランディングページに直接フォームを埋め込むことことができます。 既に登録済みのデータがある場合は、必要な情報を補完入力することもできます。

ランディングページ

Mautic にはページエディタが備わっており、直感的なユーザーインターフェイスや、標準テンプレートから高速にランディングページを作成することができます。 A/Bテスト機能で各ページでのユーザトラッキングしたり、独自のカスタマイズしたテンプレートもインポートすることができます。

スコアリング

組織は企業単位のアプローチを採用しており、ターゲット企業全体での可視性が必要な場合もあります。 Mauticでは、マーケティング戦略に沿った見込客のスコアリングまたは企業スコアリングシステムを実装できます。

マルチチャネル通信

マルチデバイス化に伴い、見込客とのコミュニケーション手段は多様な時代になっています。 Mautic はマルチチャネル通信(Eメール / WEBプッシュ / ソーシャル / SMS)を通じてメッセージを配信し、見込客とのコミュニケーションをとることができます。

見込客管理

データ管理は、すべてのマーケティングチームにとって基本的なものです。 すべての基本連絡先の詳細、活動履歴、必要なすべてのカスタムデータを収集します。 見込客は、Webフォーム、CRM同期、リスト(CSV)のインポート、または連絡先を1つずつ追加することができます。

プログレッシブプロファイリング

プログレッシブプロファイリングとは、入力フォームの項目を動的に変える事で、少しずつ属性情報を集めていく方法です。 サイト訪問者が戻るたびに、フォームに異なるフィールドセットを表示して見込客の特定や、よりパーソナライズされたコミュニケーションの作成に役立てることができます。

オーディエンスセグメンテーション

オーディエンスセグメンテーションとは、想定対象者のセグメント化機能です。 見込客をあらかじめ設定していた特定の条件に合ったグループに編成する方法です。 セグメントは、実行されたアクション、リストのインポート、手動で追加されたアクションに基づき、連絡先を含めるように作成することができます。

動的コンテンツ

Mautic は、マルチチャネル上での動的なコンテンツでを使用して、見込客に最適なコンテンツを動的に生成してコミュニケーションの質を高めることができます。

アカウントベースのマーケティング

アカウントベースマーケティング(企業単位のマーケティング)戦略を実行することは、ビジネスを成功する上で不可欠となっています。 Mautic には個々の連絡先と会社のオブジェクトが別々に用意されているため、ユーザは企業単位ごとにマーケティングキャンペーンを作成したり、企業単位ごとに得点を付与することができます。

サードパーティの統合

Mautic はサードパーティの統合するプラグインが豊富です。 CMS系では WordPress / Drupal / concrete5 / Joomla! や、CRM では Sugarcrm / vTiger / Zoho / SalesForce 、メール送信では、Amazon SES / SendGrid / MailChimp 、 SNS連携では、Facebook / Twitter / Instagram 等の多数連携先がある他、 オープンソースなので、現在標準で導入されていないサードパーティでも、プラグイン自作することで統合することができます。

ダッシュボードの解析

デフォルトで用意されているメトリック(指標)を利用したり、より重要メトリックについては独自でカスタマイズビューを作成することができます。

レポートと帰属

キャンペーンの掲載結果を視覚的に把握することは重要ですが、作成する行為自体が重労働であってはなりません。 Mautic で変数を活用したカスタムレポートを作成し、個々の構成要素だけでなく、キャンペーン全体で結果表示するレポートを作成することもできます。

Mautic 動作環境 & インストール

動作環境

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