[リレーコラム] OSC100回目に向けて(日本UNIXユーザ会(jus) 法林)

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日本UNIXユーザ会(jus)の法林です。

OSCに関わってきた人々が各々の思い出を綴るリレーコラムですが、私はOSCに
おける定番プログラムのひとつであるライトニングトーク(LT)について書きたい
と思います。

OSCに参加されている方であればLTについてはご存じかと思いますが、一応、
様式を説明しておくと、持ち時間5分のショートプレゼンテーションです。
5分経過すると強制的に打ち切りになるのが特徴です。

日本初のLTは、jusがPerlやRubyのコミュニティと共同開催したYARPC 19101
(http://www.jus.or.jp/events/yarpc19101/)で行われたとされています。その後、
多くのイベントに採り入れられ、現在ではIT系のみならず他業種でも実施されて
いると聞きます。

私は2000年前後に開催された「オープンソースまつり」(jusが主催した、OSCの
原型みたいなイベント)あたりから司会者として重用されるようになりましたが、
2005年に行われた第2回のOSCでライトニングトークを行うことになり、その司会
者として登場したのが初のOSC参加でした。宮原さんからいただいた依頼メール
が手元に残っていたので、一部を引用します。


—-
From: “Toru Mi.YAHARA”
To: 法林浩之
Subject: ライトニングトーク司会依頼
X-Mailer: Apple Mail (2.619.2)

びぎねっと 宮原です。

昨年お会いした際に仮にお願いさせていただきましたが、3月26日に開催
オープンソースカンファレンス2005の締めくくりとなるライトニングトー
クの司会をお願いできればと思っておりますが、ご都合いかがでしょうか。

OSC2005
http://www.ospn.jp/osc2005/

時間は26日の16時~17時。会場は日本電子専門学校 7号館の2階で、
日中は展示スペースとして利用しているところを使用する予定です。
—-

自分ではいまだに上手に司会ができているという実感はないのですが、幸いに
も多くの方に気に入っていただけたようで、以後も何度となくLTの司会を頼ま
れ、参加しました。手元の記録によると、これまでに22回のOSCでLTの司会を
しています。LT司会者としてはたぶん最多出場でしょう。

ところで、LTと言えば、発表終了を告げるドラと、それをたたくドラ娘が定番
ですが、これはかなり時代を下ってから追加されたアイテムです。それまでは
自分1人でLTの進行ができるように、しかも全国を旅するのでできるだけ荷物を
軽くしたいと思い、ストップウォッチと事務用ベルを常に持参していました。

ドラとドラ娘は、個人的にはOSCではなく2008年に行われたLL Future
(http://ll.jus.or.jp/2008/)で初めて目にしたのですが、その後、急速に広まっ
ていきました。また、2009年ぐらいでしょうか、安価なドラが販売されている
のがOSCコミュニティに報告され、全国で一斉購入されたのも普及に一役買った
ように思います。

▼法林LTセット(ストップウォッチとベル)

こうしてLTは全国各地で普通に行われるようになり、司会も各地の人が担当す
るケースが増えました。私の出番も昨年までは年に1,2回あったのですが、今年
はついにOSCのLT司会者としての登場回数はゼロになりました。それだけLTが
各地に定着し、自主的にやれるようになってきたことの証でしょう。98回目の
OSCであるOSC2013 OitaのLTを見ながら、そんなことを思いました。

▼OSC2013 OitaのLT

LTは、LT職人と呼ばれるような、5分という時間を最大限に利用した完成度の高
い発表を聞くのも楽しいですが、それよりも、5分なら誰でも話せるという敷居
の低さが魅力だと思います。これからも、1人でも多くの人に発表していただき、
各自の経験や情報を共有するとともに、このLTという場所から多くの逸材が育
つことを願っています。

※このコラムは、これまでOSCを支えていただいた方に
 思い出を語っていただくリレー連載です。

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