AsiaBSDCon 2017 meets OSC2017 Tokyo/Spring

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今回はOSCにいつも出展いただいている「日本NetBSDユーザーグループ」の
蛯原さんに、AsiaBSDConの来日メンバーがOSCにやってきた時の様子や
日本NetBSDユーザーグループの活動などを紹介していただきました!

■AsiaBSDConの来日メンバーがOSCにやってきた
BSD系の国際会議はカナダ/ヨーロッパ/日本の3個所で毎年開催されています。
各会場をGroffTheBSDGoatが渡り歩いています。

日本は例年3月第2週の週末に開催しています。

AsiaBSDCon 2017 Mar. 9-12

BSDCan 2017 Jun.7-10 2017

EuroBSDCon 2017 Sep.21-24 2017

今年はAsiaBSDConとOSC2017 Tokyo/Springの開催時期が重なったので、
AsiaBSDConで来日している開発者を明星大学に誘ってみました。

日本NetBSDユーザーグループは、オープンソースカンファレンスに
第1回目からずっと参加していて、毎回ブースを出してセミナーをやっています。
参加報告はNetBSD-advocacyメーリングリストに投げるようにしています。
NetBSD-advocacyメーリングリストアーカイブ

メーリングリストでは反応はないのですが、時々メールやツイッターで
感想をもらうことがあります。The NetBSD FoundationのPresidentである
William J. Coldwellさんもそのひとりで、今回来日しているNetBSDの開発者と
The NetBSD Foundationの人たちと一緒にOSC2017 Tokyo/Spring 1日目(3/10)の
午前中に明星大学まで来てくれました。

さっそくOSC会場ツアーをやってみました。
各ブースで対応していただいた皆様ありがとうございました。
X68030にNetBSDを移植し、現在もLagopus Users Communityで
活躍されている沖さんや、OSC事務局の宮原さんにも紹介することが
できました。

▼プラレール半可算器を見つめるNetBSD developers

OSCについては「とてもフレンドリーかつピースフルなイベントだね」
と感想をいただきました。
また「日本NetBSDユーザーグループの45分間のセミナーでは、どのような話しを
しているのか(→参照)」と聞かれたり、「FOSDEM( FOSDEM’17 )のウェブサイトを
チェックしておいたほうがいいよ」とアドバイスをもらいました。

■NetBSDとは
NetBSDはBSD系のUNIX互換OSのひとつです。

The NetBSD Project

ftp ftp://ftp.netbsd.org/pub/NetBSD/NetBSD-current/tar_files/src.tar.gz
tar xzvf src.tar.gz -C /usr
cd /usr/src
./build.sh release

とすると、配布パッケージができます。

ドリームキャスト用の配布セットは
./build.sh -m dreamcast release
RaspberryPI用の配布セットは、
./build.sh -m evbarm -a earmv6hf release
とするとソースコードから配布用バイナリをつくることができます。

■NetBSD7.1がリリース
OSC2017 Tokyo/Springの会場で、NetBSD developerの
Jörg Sonnenberger さんから次のリリースの話を聞きました。

「そういえばNetBSD7.1リリースされるよ」
「ご冗談でしょうファインマンさん。いつ出るすか」
「明日だ」
「へ?」
「明日」
本当にリリースされました。

NetBSD 7.1 released (March 11, 2017)

■私たちの望むこと(貢献とは)
OSC2017 Tokyo/Spring 2日目(3/11)に、日本NetBSDユーザーグループは、
日本UNIXユーザ会主催のパネルディスカッション「ITコミュニティの運営を考える」
に登壇しました。

jus研究会東京大会「ITコミュニティの運営を考える」(パネルディスカッション)
パネルメンバー
・蛯原 純(日本NetBSDユーザーグループ/株式会社創夢)
・羽鳥 健太郎(小江戸らぐ)
・上田 隆一(USP友の会/千葉工業大学)
・榎 真治(日本UNIXユーザ会/LibreOffice日本語チーム)

ディスカッションでは次のような話題になりました。

「NetBSD=いろいろなハードウェアやデバイスを利用できるUNIX系OS」ですが、
UNIXのユーザーグループとしてOSCに貢献できることは何でしょうか。

私たちのOSCでの取り組みを紹介します。

UNIX系OSで動作するソフトウェアを、NetBSDで利用しているpkgsrcという
枠組みに組み込むと、NetBSDを含むいろいろなOSでコンパイルしてインストール
することができます。

例えば、OSCにも出ているtwitterクライアントのmikutterをインストールする
場合はこんな感じです。

ftp ftp://ftp.pkgsrc.org/pub/pkgsrc/current/pkgsrc.tar.gz
tar xzvf pkgsrc.tar.gz -C /usr
cd /usr/pkgsrc/net/mikutter
make package-install

OSCで見つけたおすすめのソフトウェアをpkgsrcに取り込み、
NetBSDを通じて世界中の人に紹介しています。
一度ソフトウェアを取り込んだら、ソフトウェアの更新に追従して
対応していきます。
もし動かなくなったり、セキュリティ関連の問題が起きた場合は、開発元に
連絡してすみやかに修正部分を更新します。更新時の対応方法がソフトウェア
ごとに異なり苦労することもありますが、OSC会場で直接コミュニティの人に
相談すると解決の糸口が見つかることがあります。

OSのユーザーグループとしてOSCに貢献できることは、
OSCに出展しているソフトウエアやプロダクトをできるだけ自分たちで実際に使って
みて、NetBSDを使っている世界中のひとたちに紹介したりフォローしつづけてゆく
ことだと思っています。

■AsiaBSDConでのブースと発表の紹介
OSCでは毎回出展している日本NetBSDユーザーグループですが、
2つのイベントが重なってしまった今回は、2班に分かれ、OSC出展とは別に
AsiaBSDConの会場の東京理科大学(飯田橋)でブース出展しました。

OSC名古屋で主に展示をしていただいている、
あおやまさんと、えとみさんにご協力をいただいて、
OMRON LUNA88K/OpenBSDLUNA68K/NetBSDを展示しました。

OSC京都で展示をしていただいている武藤さんには
ScratchやRetroBSDやdistccクラスタを展示していただきました。

おおしまさんにはRPI NetBSD/evbarmv7hf上で動くgo言語のデモ
していただきました。
FreeBSD workshopで発表していただいている鈴木さんには
RPIで動くFreeBSDtankのデモをしていただきました。
えとみさんにはAsiaBSDCon2017シールをつくっていただきました。
Ingressカード風の逸品です。

いつもブースに置いているシールもずいぶん配りました。
OSC東京会場からもちこんだd250g2と呼ばれている炎上シールがなぜか好評でした。
“Fire in your eyes.. Fire in your heart.. Fire in your home…
Fire in your company.. Fire in your project..”とかいいながら配ります。

OSC東京でいつも焼いているクッキーもAsiaBSDConの会場に持ち込みました。
(クッキーの型は、OSC事務局のしのざきさんにお借りしています)
((薄力粉124g+バター62g)+卵黄1個+砂糖62g+塩0.5g)x170度15分

▼炎上シールとクッキー

今年のAsiaBSDConでの各OSごとのペーパーセッション発表数は以下の通りでした。
FreeBSD 20
NetBSD 6
OpenBSD 3
DragonFlyBSD 1

NetBSDの発表の中にはOSC北海道で展示や発表をしていただいている
榎本さんの発表がありました。
P06B: Maintain the NetBSD Base System Using pkg_* Tools
Yuuki Enomoto
NetBSD Presentations

OSCに出展しながら、アイディアを練ったり実験してきたことをAsiaBSDConの
ようなイベントで発表できるように、手助けをしていければいいなと思っています。

■感想戦
週明け月曜日にAlistair Crooksさんからメールをもらいました。

“One again, Ebihara-san, thanks for helping to make our recent journey to
Japan so enjoyable. You are doing great work with the booths, please keep
it up!”

UNIX互換のOSができることが、あとどれだけ残っているかわかりませんが、
やり残していることがないか、時間の許す限り全部見てみようと思います。
今年もどこかのOSCでお会いしましょう。

■最後に
資金難に悩むAsiaBSDConでは常にスポンサーを募集してます。
 secretary@asiabsdcon.org まで。

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