Document Freedom Dayのご紹介

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LibreOffice日本語チームの小笠原です。
今日はLibreOfficeとは(ちょっとは関係がありますが)違う話をいたします。

みなさんは「Document Freedom Day」(ドキュメント自由の日)という
イベントを聞いたことがあるでしょうか?
Free Software Foundation Europe(FSFE;欧州フリーソフトウェア財団)
の呼びかけによって2006年に始まった国際デーです。世界中のチームがそ
れぞれこの日に様々な催しを行い、「ドキュメントの自由」について関心
を高め、祝う、そんな一日です。

公式サイトの説明では、以下のようになっています。

Document Freedom Day (DFD;ドキュメント自由の日) は、オープンな
標準についての意識を高め、祝福するための国際デーです。この日には、
地球上のいろんな人が地域イベントを開催するために集まり、みんなに
情報アクセシビリティの自由について知ってもらいます。

(原文)Document Freedom Day (DFD) is the international day to
celebrate and raise awareness of Open Standards. On this day,
people around the globe come together to run local events and let
the public know about freedom of information accessibility.

ほ? 「ドキュメント自由の日」なのに、なにゆえ「オープンな標準」?
少しピンとこないかもしれませんね。
ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

ドキュメントの自由とオープンな標準

Document Freedom Day
Copyright 2008-2014 Free Software Foundation Europe e.V.

この場合の「ドキュメント」というのは、いわゆるオフィスソフト的な
「文書」だけでなく、もっと広い、例えば画像や音楽、動画などを含むと
考えてください。
そして「自由」という言葉。これがまた悩ましいキーワードではあります
が、ここではいったん、「私の作ったドキュメントが、あなたがちゃんと
読めること」「あなたが作ったドキュメントが、私のところにちゃんと届
くこと」だとします。
今の私達の生活では、ほとんどのドキュメントはデジタルデータとして扱
われています。ですから上で示した、そのデジタルデータが誰もが読める
形式(=フォーマット)であること、デジタルデータを交換する方式(=
プロトコル)が誰もが扱えるものであるものであることが、ドキュメント
の自由のためには大切なのです。

たとえば、WEBページを考えてみてください。この記事をOSPN Press
ブログ
からご覧になっている方は、WindowsやOS XやLinuxやiPhoneや
Android端末などといった環境で、Internet ExplorerやFirefoxやChrome
/ChromiumやSafariを通して読まれていることでしょう。内容の是非は
さておき、文章が文章として正しく伝わっていると思います。
それは、私がOSPN Pressブログの編集さんに渡した原稿を、HTML、
CSSといった標準化されたフォーマットで配信し、HTTPという標準化
されたプロトコルでみなさんのもとに届けられ、ブラウザーで決まった
ように表示するという仕組みがあるからです。

ドキュメントの自由な公開、交換、閲覧を行うために、オープンな標準が
あることのありがたさを意識しよう、そしてオープンな標準があることを
みんなで祝おう、という日、それが「ドキュメント自由の日」なのです。

ところで自由ってなんだろう?

さて、さきほど「ここではいったん」と一旦留保した「自由」という言葉。
これがねえ、また悩ましい言葉です。

さきほどは「私の作ったドキュメントが、あなたがちゃんと読めること」
「あなたが作ったドキュメントが、私のところにちゃんと届くこと」だと
しました。

でも例えば、「私が一生懸命書いた文章を読むには、相応の対価を払って
欲しい」という「自由」もあるかもしれませんよね。この「自由」を保証
するには、相当の対価を払っていない人には読ませないようにすることが
必要です。でも、それは「あなたが作ったドキュメントが、私のところに
ちゃんと届くこと」の自由を阻害しています????

これは私の持論なんですが、「自由」っていうのは「これという定義」が
ないものだと思うんですよね。私の自由とあなたの自由は往々にして異な
るし、「私の自由」だって状況に応じて変わりうる。そんなものかなと。

なので、自由でありたいと思うなら、「自分にとって自由ってなんだろ
う?」ということを自分に問いかけ、それが他人の自由とぶつかったと
き、どういう風に折り合いをつけるか、考えることが大事であると。
自由とは誰かに与えてもらうものではないと思うわけです。

めんどくさいですか。めんどくさいですね。
私も始終こんなことを考えているわけではないです。
でも、年に何日かぐらいは、そういうことを考える日があってもいいん
じゃないかな?とは思います。Document Freedom Dayはそういう日の
一日としてふさわしいのではないでしょうか。

3月25日は「DFD2015」に参加しよう!

そんなわけでDFD 2015に参加しましょう。

DFDはこれという参加方法が決まったものではありません。ドキュメントの
自由について広く興味を引き、またオープンな標準があることを祝えるなら、
どんなやり方でもよいのです。
「参加するには(Get Involved)」ページには色んな方法が挙げられて
います。

みんなで集まってオープンな標準について語る
メッセージを広めドキュメント自由の日について知ってもらう
ケーキを作ってDFDをお祝いし、人を呼ぶ
公共団体の注意を引く
賞を授与する
プレゼンテーションをする
コミュニティに加わる

DFDを祝うために世界中でイベントが開かれています。
昨年2014年には22カ国にて51のイベントが開催されたとのことです
(リンク先には楽しそうな写真がいっぱい載っていますので、
 ぜひ見に行ってくださいね)。
東京ではDocument Freedom Day 2015 Tokyoというイベントを計画中です。

去年はDFDのパンフレットの翻訳をした以外は単なる飲み会になってしまっ
たので、今年は軽食+乾杯+DFDに関するちょっとしたプレゼン、というよ
うなイベントを目指しています。イベントをお手伝いしてくれる方、会場
を提供してもいいな、という方を募集しています。
イベントページを参照して連絡ください。

『Document Freedom Day 2015 Tokyo』
日時:2015年3月25日(水)18:30 – 21:30
会場:調整中(東京都内)
ハッシュタグ:#DFD2015
詳細/申込: http://kantolibo.connpass.com/event/12294/

また、東京以外でも日本でイベントを開催されるといいなと思ってます。
DFDのサイトからイベントを登録するとイベント一覧に載りますので、
世界のみんなに「おー日本でも活発にやってるねー」ということを
アピールしましょう!
それでは、Happy Document Freedom Day!

この記事は「クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 4.0 国際 ライセンス」で
提供されています。
Copyright 2015 Naruhiko Ogasawara

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